日本のど真ん中。岐阜県関市は鎌倉時代から700有余年の伝統を持つ刃物のまち。

 

最盛期には300人以上の刀匠を有する刀の産地として栄えました。

 

江戸時代以降はその技術を家庭用刃物、近代刃物に生かし、現在も約100社の刃物メーカーが軒を連ねています。


一心不乱に野菜をチョップで切ろうとする主婦

 

痛みに耐えながらガムテープで髭を抜く男性

 

鬼のような形相で客の髪を噛みちぎる美容師

 

 こちらは、刃物のない暮らしをセンセーショナルに描いた関市

PRムービー『もしものハナシ』。2年前に公開されるやいなや多

くのメディアに取り上げられ、動画サイトで37万回以上の再生数を記録。ネットでも「衝撃的」「狂気を感じる」と大いに話題を集めました。

 

 他にも、2010年第10回マニフェスト大賞にてシチズンシップ推進賞の優秀賞を受賞した「関市選挙パスポート」を新成人に配布して若者の選挙参加を促すなど、切れ味鋭い施策をを次々に打ち出してきた、遊び心のある市でもあります。


 2016年7月20日。関市が“一丁目一番地”の政策としてはじめたのが「関市ビジネスサポートセンター」、通称「Seki-Biz」です。

 

“行列のできる中小企業相談所”といわれる富士市産業支援センター(f-Biz)や岡崎ビジネスサポートセンター(OKa-Biz)をモデルに、地元の商工会議所・商工会、金融機関の協力を得て開設した公的な産業支援拠点で、1回1時間、何度でも無料で経営相談をすることができます。

 

 開設当初から目標相談件数の4倍以上の成果を出し、現在では毎月約120件もの相談が寄せられるまでになりました。1年半を迎えた昨年1月には、累計相談件数が2500件を突破、400以上の事業者が足を運んでいます。

 

 利用者の約8割がリピーター。このことからも利用者の満足度の高さがうかがえます。今では1ヶ月以上先まで予約が取れないほどの人気ぶりです。「Seki-Bizができてから、みんながワクワクしている雰囲気がある」という声も市民の方から聞かれました。

 

 関市の期待を背負い、勢いにのる「Seki-Biz」が「センター長」を募集します。

 

 「きく」「みつける」「ささえる」で売上げアップをサポート 


 Seki-Bizの「センター長」とはどのような仕事をするのでしょうか。

 

最も重要な仕事は、「個別相談」を通して、“コストをかけずに売上アップに特化したサポートを提供する”ことです。

相談に訪れた事業者の現状や悩みを「きき」、その中から強みや課題を「みつけ」、解決策の提案・実行までをワンストップで継続的に「ささえます」。

 

 刃物のまちらしく、他の「Biz」に比べて製造業の相談者が多いのがSeki-Bizの特徴。関市内の製造業は県内で2番目に多いものの、市民1人当たりの所得は県内12位。優れた技術を持ちながらも、売上げにつなげられていない中小企業が少なくありません。


 例えば、100年の歴史を持つ工業用刃物メーカーの「エドランド工業」は、長年にわたり大手機械メーカーに刃物を提供してきましたが、長期的にみると受注は減少傾向。直接受注できる新規の顧客を開拓したいとSeki-Bizを訪れました。

 

 Seki-Bizでは、22,000種類を超える製作実績を持ち、最低1個から最短2週間で対応できる小回りの良さに着目。その強みを生かして、お客様に最適なオーダーメイド刃物を提供する新サービス「刃物のお悩みベストアンサー」として打ち出すことを提案しました。

 

 その結果、1年間で600件を超える問い合わせがあり、そのうち100件ほどが新規受注につながりました。久保有希取締役は「これほどお問い合わせがあるとは予想していませんでした。新規受注につながったことに加え、こんなに刃物に困っている人がいるという現状を知ることができたのは大きな収穫でした」と手応えを口にします。


 アレルギー物質27品目を一切使わずに焼いたシフォンケーキやクッキー、ラスクを製造販売する菓子メーカー「米SweetS(マイスイーツ)」は、これまでのメインターゲットでもあるアレルギーを持つ子ども以外にも販路を広げたいと模索していました。

 

 Seki-Bizは、米SweetSの強みを「大人も楽しめるおいしい味わい」と「柔軟な開発・生産体制」にあると分析。

 

海外を中心に「グルテンフリー」という小麦を摂取しない食事法が注目され始めているトレンドを踏まえ、健康志向の女性を新たなターゲットにすることを提案しました。

 

 さらに「お客さまの要望に応じて商品を開発・生産できる」と展示会などでPRしたところ、ナチュラルフードを扱う大手小売店やセレクトショップからの引き合いが急増。

 

売上げも大幅にアップしました。「商品をそれほど変えることなく、ターゲットや見せ方を少し変えるだけで、これほどガラッと展開が変わるとは想像もしていませんでした」と平田妙子代表も望外の結果に感謝します。

 

 

 製造のみならず、飲食店や小売店、農業やNPO法人、時にはメイクアップアーティストなど。あらゆる人たちが日々Seki-Bizを訪れます。

 

 副センター長の松浦さんは「どんな質問をするか、どのキーワードを深めていくか、相手の強みは何か、強みを生かしてどんな市場が考えうるか、市場の中でターゲットはどの層か、どんな方針で進めていくか、具体的なアクションは何から始めるか・・・・等々、これらを相談現場の中で瞬時に判断し、提案につなげていく必要があります。それ以外にも、相手に信頼感を与えるコミュニケーション力や、相談者のモチベーションを換起する自身の情熱がビジネスコーディネーターには求められます」と話します。

 

 また、個別相談外にも、月に1度相談者の役に立つセミナーを開催したり、市の事業と連携したプロジェクトに参加し、地域活性化の一翼を担うことも、センター長の仕事です。

 

 

チャレンジが生まれる瞬間に立ち会える喜び


 現在Seki-Bizでは、個別相談を担当している松浦副センター長とスタッフが連携し、専門家の方に定期的にサポートしてもらいながら、相談者の悩みに対応しています。

 

 Seki-Bizでの仕事の魅力を伺うと、「チャレンジが生まれる瞬間に立ち会えること。提案した打ち手を試されて「結果につながった!」というご報告をお聞きすると、心底嬉しいですね」と松浦さん。

 

 「中小企業は全企業数の99.7%、全従業者数の69.7%という高い割合を占めていると言われていますが、これは三大都市圏を含めた数字。地方圏に立地する企業に限ると、企業数で99.9%、従業者数で85.2%なんです。

 

これはf-Biz小出センター長の言葉ですが、『1社で100名の雇用を作る工場を誘致するより、1社で1名ずつ雇用を作り、100社をサポートする支援が今の時代に求められる』と私も思っています。

 

1社1社が強い地域が本当に強い地域。その1社1社の成長をサポートできるのは、本当に意義のある仕事だと思っています」

 

 日本を支える中小企業の可能性を引き出すことは、将来的には日本を変えていくことに繋がります。熱い情熱を持った方のご応募お待ちしています。