新規の受注が急増した、広告より効果のあった集客法とは?

有限会社木村住設 木村充男さん

2019年で38年目を迎える木村住設は、社長の木村充男さんが修行を経て25歳で開業。門扉やブロック、フェンス、植栽、芝生の張りなどの外構工事、ガレージや物置の設置、建物の解体など、5000件を超えるエクステリア工事を行なってきた。

 

「建築会社に育てられてきた」という木村さんの言葉通り、仕事の大半は建築会社からの受注が占め、個人からの依頼も建築会社から紹介されたものがほとんど。顧客の信頼が厚く、これまでは営業をしなくても安定して仕事を受注してきた。

 

ところが2018年、頼みの建築会社からの仕事がガクッと減ってしまう。

 

「年の始めは、建築会社さんも天を仰ぐほど仕事がない状態でした。新規の受注を増やすために広告でも出そうかと検討していたところ、たまたま来社していた銀行の方から『広告を出すより、seki-bizに行ってみたらどうですか。別の視点から発想してもらうことで、何かのきっかけになるかもしれないですよ』とご紹介されました」

 

受注が減少する状況の中で、「自分も変わらなければいけない」と考えていた木村社長は、これまで手掛けた現場の写真を撮影して回り、それを携えてSeki-Bizを訪れた。


Seki-Bizは、まず木村さんの話をじっくりと聞き、そこから木村住設の強みを引き出していった。

 

同社の最大の強みは圧倒的な仕上がりの美しさだ。

 

何十メートル中の数ミリにこだわるブロック職人、左官職人が丁寧に施工し、最後は必ず社長が確認して仕上げを行う。ビシッと整ったブロックや土間のラインは、写真で見ても清々しい美しさ。


作業をしている現場を見て、「作業がスムーズで丁寧ですね。うちもお願いします」と仕事を依頼されたことや、隣の家のブロック塀と比べてあまりの美しい仕上がりに感動した施主さんが、拍手で職人を見送ったこともあったそうだ。


Seki-Bizは、こうしたエピソードを “2名のスーパー職人が施工するエクステリア工事の専門店”という言葉に落とし込んだ。

 

職人気質でシャイな木村さんは「私たちは商売人にも関わらず売り込みが苦手で…。“スーパー職人”という言葉を全面に出したらどうですかと提案されて、自分たちが言うには少し恥ずかしいと思いながらも、こういう表現の方がお客さまには伝わるんだなと勉強になりました」と照れながら話す。

 

さらにSeki-Bizが着目したのは、「不明瞭な諸経費はいただいていません」という木村社長の言葉だった。見積もりの中には「諸経費」という形で、現場管理員の人件費、交通費、通信、保険料など、間接的な費用が計上されていることが多い。

 

しかし内訳が分かりにくいため、一般の消費者にとっては不透明な費用という印象を与えることがある。Seki-Bizでは、木村住設の不明瞭な項目のない正直な見積もりは消費者の評価を得ると考え、同社の強みとして全面に打ち出すことにした。

 

「親戚が家を新築した際、数社から取り寄せたエクステリアの工事の見積もりを見せてもらいました。『XX作業 一式 ○○円』『諸経費 一式 △△円』というような書き方がしてあるのを見て、やはり明細をきっちり出した方が安心してもらえるなあと気がつきました。ですから当社ではキャップ1個に至るまで書かせていただいています。お客さまは自分の子どもたちと同年代の30代の方が多いので、少しでも出費を抑えてもらえたらと考えています」


強みを伝えるホームページで新規顧客が増加


次に、ヒアリングで引き出した同社の武器を広く発信するため、ホームページの制作を提案した。

 

「ホームページは制作費がかかるイメージもありましたし、作っても当社のホームページなんて見てもらえないだろうと思っていたので躊躇していました。Seki-Bizにご提案をいただいた時も、『本当にうちが作るの?』という感じでした」

 

当初は半信半疑だった木村さんだが、Seki-Bizのサポートを受けながら、無料のツールを使ってホームページを制作。ブログでもコンスタントに施工実績を掲載していった。

 

「文章を書くのが苦手なので、現場の写真を撮ってアップしているだけなんです。それでも、どのように作業を進めたか、どんな風に仕上がったかは伝わるかなと。職人さんたちはシャイなので写真に写りたがらなくて、こっそり隠し撮りしてます(笑)」

 

ホームページをリリース後1ヶ月半ほどで最初の問い合わせがあり、その後もコンスタントに新規案件を受注。11月の時点で前年の売り上げと並んだと、予想以上の反響に木村さんは顔をほころばせる。

 

「今はインターネットの時代というか、本当にこんなに問い合わせがあるものなんだと驚きました。『今年は仕事が少ないね』という感じで始まって、4月頃までは本当に厳しかったので、本当にSeki-Bizのおかげです。1軒1軒のお宅に集中したいので、工事をお待たせしているお客さまもいらっしゃってとても申し訳なく思っています」

 

インターネットは、テレビや新聞・雑誌などの不特定多数に情報発信する(Push型)メディアと異なり、ユーザーが自分の知りたい情報を能動的に検索する(Pull型)のメディアである。

 

他社との比較検討も容易であるがゆえのシビアさもあるが、他者と比較することで、かえって木村住設の高い技術や誠実な企業姿勢が際立つ結果となり、大きな成果につながったのだろう。

 

「皆さん、色々と調べていらっしゃって、こだわりを持っていたり、商品に詳しいお客さまが多いですね。カタログに載ってない商品についてのお問い合わせをいただいたこともありました。『こういうことはできますか?』という連絡をいただくこともありますが、様々な現場を経験しているので、お客さまのご要望や疑問にもお応えできると思います」


Seki-Bizの発想力は本当にすごいなと思います。我々の業界のことを全く知らないにもかかわらず、ヒントになるような言葉やアイデアをたくさんいただきました。今は売り上げも順調に伸びて、相談事もなく、ありがたい限りです。また行き詰まったら、ご相談に伺おうかなと思っています」


ライター:山田 智子